タクシー業界は、平成一四年に規制緩和が実地され、とりわけ東京都内でタクシーの新規事業許可や増車が相次いだ。
その結果、ひところ96.5%(東京都特別区・武三地区昭和五九年実績)あった稼働率が年々減少し続け、
現在では80%を割り込んできているのが事実だ。
日本一のタクシーマーケットといえどもタクシーが稼働しなければ経営は成り立たないのは自明の理。
高コスト体質の東京で稼働率七十五%が採算分岐点の目安とささやかれ、六十%では赤字を免れ得ないといわれる。
タクシー業界は車両があれど乗り手がいない。
従来の買い手市場であった乗務員確保は、完全に売り手市場に転換してしまっている。
その意味で有料とはいえ確実に乗務員を斡旋してくれる氏の事業は、
タクシー事業者にとって新鮮かつ有難い存在として受け入れられていった。
一世を風靡した就職情報誌「ガテン」はいわば乗務員の買い手市時代にもてはやされたといえ、
氏の事業が急成長していく中でガテンが衰退していくのは、売り手市場への転換という時代背景の変化という意味で、
必要なのかもしれない。