全乗連第八十七回通常総会の開催に先立ち、国土交通省の藤田耕三旅客課長が東京のタクシー運賃改定状況や緊急調整措置の要件緩和に対する一般マスコミ 報道を受けて、当局の未解を表明した。発言の要旨は次の通り。
新聞報道に誤解あり
本日は貴重な総会の場を借りまして、話をさせて頂きたいと思います。
週末にいくつか新聞報道がありました。皆様方に関心の高い事柄でもありますし、少し誤解を生じかねないような報道の内容だったと思いまして、
念のため現状をお話させて頂きたいという次第であります。
二つございます。 一つは運賃改定ですが、ご案内の通り国土交通省としては労働条件の改善という事が大きな目標として
申請を受けておりまして、その実用性をきちんと認識したうえで適切に処理したい、と基本的な考え方でございます。
それについてはそのための通達を出したところでございます。

当面、東京の運賃改定につきましては、四月の十九日に物価安定政策会議が開かれまして、
その前にすでに長野・大分は許可をしたわけであります。が、
東京につきましては物価安定政策会議の意見を聞いて、それから閣僚会議の決定を経て、そういう段取りになっておりますでの、その一環として物価安定政策会議が開催されました。
それもいろいろ報道されておりますけれども、その場では大変厳しい意見もメンバーの方々から出されております。
運改先送り報道否定
また、政府と内閣府の間で最終的な調整に達していない、というのが今の状態です。
当面、五月三十一日に第二回目の物価政策安定会議が行われる段取りになっております。
しかし、一部の報道で先送りという報道がなされております。
ただ現時点では私ども先送りしているという判断をしたという事もございませんし、
その方向で調整しているという事実もございません。
我々としましては三十一日の物価安定政策会議でどういう論議が行われているかはこれからの話でありますし、
その結果をふまえまして、さらに政府内部で調整をしていくというように指導しております。
従って現時点では先送りした判断はございませんし、逆に参院選挙が終れば許可される見通しが立っているわけでもないわけです。
そういう意味では日程・方向性ともまだ決まっていないと申し上げまして、ご理解を頂きたい。
議論としては厳しいご意見も出ておりますので、それについて説明をしていきたいと思っていますし、
業界の方からもきちっと説明して頂きたいと思います。それぞれの地域ごとに個別の事情があるのは十分理解しておりますが、
基本的には申請の順番通りに処理をしていくというのが通例だろうと思っています。
当面、私どもとしては東京の処理に取組んでいきたいと思っていますでの、よろしくお願いしたい。
需要調整は例外的措置
また、もう一点として緊急調整の話でございますが、新聞等で参入規制強化といった報道がなされております。
規制緩和から五年が経過し、その五年間にいろんな成果は現れてきていると思っています。
利用者である私どもから見れば待ち時間も短くなって、一定の運賃の多様化が進んだなどの成果もある。
一方で安全性あるいはサービスの面で気になる傾向も少し出てきています。
事故の件数や内容を考えた場合に、規制緩和のマイナスの面も懸念しなければならない状況になっていると思っていますので、
そういう認識に立ちまして、昨年来、事後チェックとしての監査の強化だとか、あるいは今の国会に法律を提出していきますけれども、
運転手さんの登録制度の取り組みもしておりますし、また今回の運賃改定もその一環としてという事になるかと思います。
その中で一つの手段として緊急調整措置というものが制度としてありますが、今のままの運用でよいのか、
あるいはもう少し弾力的に運用する余地があるのかないのか、
そういったことは規制緩和後の対応の一つの手段として議論する余地がないのだろうか、と感じています。
ただ現時点で申上げますと、需要の見直しをどういった方法でやるのか、あるいは期間だとか、
執行に対する具体的なイメージを描いているわけではございません。それなりの議論も必要だろうという程度です。
いずれにしても需給調整を撤発し参入を自由にしたのが原則的な制度でありまして、
その趣旨を照らせば需給調整規則というのは特例、例外的な制度である。それは間違いのないところでありまして、
今後議論するに当たってそれを踏まえて考えていく必要があるというのが現実の認識であります。
外部の目は厳しい
以上が運賃改定・緊急調整についてご報告した次第ですが、
今回の運賃改定といった事について私どもも特に業界の外部と申しましょうか、
現実は、我々が見ている以上に非常に厳しい目を向けられていると実感しています。
あるいはもっと経営の努力というか、創意工夫の余地はないのか、
あるいは行政指導もそれを促す取り組みはないのか、と外部の方は厳しい目を向けている。
行政としましてもそういった声を汲みながら、これからの仕事を進めていきたいと思いますので、
利用者あるいは社会一般の声を受け止めて頂いて、さらに経営に取り組んでいただきたい。